2018年10月24日水曜日

いっしょに福島に行きませんか? ~いってきました~

YMCA ACT  2018東北の旅 福島訪問のご報告

すっかり秋らしくなってきました。あっという間に日も短くなってきましたね。

10月14日(日)
YMCA ACTの運営委員や英語講師、元スタッフとともに、福島の浜通りを訪れました。
YMCA ACTとして福島を訪れるのは2度目。改めて福島の現状を自らの目で見ることは大切だと考え、2014年以来に足を運びました。

 カリタス南相馬(https://caritas.ctvc.jp/)のスタッフの方々にご案内いただき、南相馬市から富岡町まで南下しました。
 カリタス南相馬の南原さんは、放射線の基礎知識をはじめ、現地の状況や人々の声を短い時間でたくさん語ってくださいました。

●避難指示区域で地域が分断されてしまい、家族もバラバラになってしまったこと
南相馬の有名な野馬追祭場

●避難指示が解除されたことで補償金が打ち切られるなど、新たな課題が出てくること

家族が無事だったとしても、あるいは補償金をもらえたとしても、「あなたはいいね」という周囲の人からの言葉に傷つき地域に出るのが億劫になる方が多くいらっしゃること
希望の牧場(吉沢牧場)の牛たち。
取り残された牛たちを何が何でも守り続けようと
懸命な取り組みが続いています

●家族に原発で働いていた人がいるため「原発反対」の声をあげられない人々のこと

●除染と放射性物質の半減期により、5年前と比較すると南相馬の線量はだいぶ下がってきていること(むしろ名古屋や大阪よりも低いこともある)

海岸近くには津波の被害を受けた家屋が手つかずのまま
●富岡町など、道路一本の違いで避難指示解除された所とそうでない所があり、「本当に住んで大丈夫なのか?」という不安があること

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 南相馬市鹿島区の田畑はきれいでしたが、浪江・双葉町と近づくにつれ田畑だった場所が荒れて草が伸び放題に。
7年前の津波の被害がそのままの家屋も残っており、時が止まったようでした。
 

南相馬市小高区では、おだかぷらっとほーむ(http://www.pref-f-svc.org/archives/9457)の廣畑さんよりお話を伺いました。

震災前と比べると戻ってきた人は少ないけれど、本当に小高を好きな人が選んで戻ってきたのだから、きっととても良い町を作れる、とおっしゃっていたのが印象的でした。

こちらの小高工房では小高産唐辛子と南相馬産菜種油"油菜ちゃん"を使用した「辛油」という一味を出しています。被災地ブランドとしてでなく、本当においしいもの、良いと思ってもらえるものを作っていきたい、と語っておられました。
おだかぷらっとほーむの前で

放射線の汚染物の入った袋の山が遠くまで続く

汚染物のトン袋(1トン入るのでトン袋と呼ばれる)が積まれた山が見えないほど遠くまで続く光景や、家々の前のバリケードを目にし、問題の大きさと人間の小ささに言葉にできない気持ちになりました

正しい・正しくないと想像だけで判断せず、やはり事実を見に行くことの意義を感じました。
道路の左側は避難指示が解除されていて、
右側は入れないようバリケードが設置されている
夜ノ森公園は桜の名所。
花見の時期だけは桜が良く見えるように警備の方が
バリケードを少し開けてくれたそうです
 今後は写真展などを通して今回の学びを発信したり、2月のイベント「ONE ACT DAY」で小高工房の商品を販売するなど考えています。
 ぜひ今後も皆さんといっしょに、震災から見えた社会問題についても考えていきたいと思います。
(YMCA ACT 茂澤)