2021年12月16日木曜日

「微力ではあるが、無力ではない」に勇気づけられて

YMCA ACTリーダー 廿 麻乃

2001年に、リーダーとしてYMCA ACTに関わりはじめ、シーガルズ(seagulls)として2007年ごろまで関わっていました。

YMCA ACT(以下、ACT)での活動経験は、今の私の考え方の土台を作っています。高校から大学時代にボランティアリーダーとして、さまざまなプログラムに参加するだけでなく計画から携わることができました。大人になる前にこれらの経験をしたことが、世界の見方や向き合い方について考える機会となりました。

ACTにいる人たちは皆、一人ひとりの意見に耳を傾け、自分の思っていることがなかなか言語化できなくても、無理矢理言わせたり、馬鹿にしたりせずに聞いてくれました。年齢や立場に関係なく、まず受け止めてくれました。そのような環境の中で、相手の話に耳を傾けること、自分自身の意見を持ち、表現することの大切さを実感できました。

ボランティアリーダーの仲間、スタッフ等と一緒に活動する中で得たものは、他の人たちと一緒にプログラムを作り上げていくことの楽しさです。まず、活動の目的を共有するためのミーティングをたくさん行い、それを受けて、1回のプログラムを作るために、それぞれがテーマに沿って考えたり調べたりしてアイデアを持ち寄り、意見を出し合い、より良いプログラムになるように準備し実行してきました。さまざまな意見が出ることで、面白いもの、ワクワクするものが生まれました。一つのプログラムを実施するために、それぞれが自分の役割を持って、その役割を果たすために動くことは、チームで働く上で大切なことであると教わりました。

現在、私は短大で講師をしています。学生とどのように向き合うか、授業をどのように組み立てるかといった考え方のベースの一つには、ACTの活動があります。また、短大というチームの一員としての役割を担っていきたいと考えています。しかし、現状は「上の職位の決定は覆されない・前年通りに」がルールとなっている傾向が強いように感じています。より良い方向へ向かうことが難しいように感じる時もありますが、そのような時に思い出す言葉が、活動の中で出会った「微力ではあるが、無力ではない」という言葉です。自分一人が何かしてもしょうがない、と思ってしまいがちですが「一人の力は無力ではない」という言葉に日々力づけられています。