2021年12月26日日曜日

違いを認め合い、一人ひとりを大切に過ごしていきます

YMCA ACT運営委員 岩永 めぐみ

今から約20年前、高校1年生になった頃に私はYMCA ACT(以下、ACT)を訪れました。当時は1階にも教室や講師、ロビーがあり、入った瞬間から日本語と英語が入り混じって聞こえてくるようなinternationalでopenな雰囲気だったことを今でも鮮やかに覚えています。Active Communication Terminalという名前の通り、さまざまな言語、背景、価値観を持った人びとが行き交うこの場所で、私のYMCAでの日々が始まりました。

ACTの英語のクラスには、高校1年生から高校3年生の大学入試の直前までメンバーとして参加しました。ユニークな先生たちと、さまざまな文法や表現を学びながら自分の意見を英語でoutputする授業に、通い始めてからすぐに夢中になりました。英語を通して異なる文化や歴史を知ることができた点も魅力的でしたが、何よりも自分とは異なる意見に触れ、お互いの意見を尊重し合いながら議論するという貴重な経験ができたことは大人になった今でもさまざまな場面で生かされていると感じます。

高校卒業後は、ACTのボランティアリーダーとして長く関わってきました。その中でも特に印象に残っているのは、メンバーとリーダーとの関係性です。

リーダーは、メンバーにとって家族でも先生でもない、“近所のお兄さんお姉さん“のような中間的な存在です。リーダーとメンバーが活動を共にしながら、お互いに成長していけるところが本当に好きでした。小学校で落ち着きがないと言われていた子が、ムードメーカーとして生き生きと活動に参加してくれたこと。中学校では引っ込み事案だった子が、ACTの活動では大いにリーダーシップを発揮してくれたこと。緊張とプレッシャーで泣いていた英語のキャンプの最終日、寝る時間を惜しんでたくさん練習してスピーチを成功させた高校生メンバーのこと。多くのメンバーがもがきながら挑戦し成長していきました。私がリーダー活動を長く続けられた理由は、子どもたちの挑戦を応援し近くで支えることに大きなやりがいを感じていたからです。今思えば、リーダーとしての経験が現職である高校教員という道を選んだ原点になっていたのかもしれません。

現在働いている高校には、4月に異動してきました。外国につながる生徒やLGBTの生徒、さまざまな悩みを抱えた生徒など、実に多様な生徒が集まってきています。自信が持てなかったり、将来の展望が見えなかったり、周りと上手くコミュニケーションが取れなかったり。「ちょっと不器用」な生徒たちがACTで出会った多くのメンバーたちと重なります。生徒たちが過ごす社会に出るまでの高校3年間で、彼らが自らの手で挑戦し成長できるよう、違いを認め合いながら一人ひとりを大切に、成長し合う日々を共に過ごしてきたいと考えています。