2021年12月19日日曜日

YMCA ACTに集う人びと

第4・7代館長  梶谷 和宏 (1997年-2000年,2010年-2011年)

横浜YMCAでの勤務時代、私は2度YMCA ACT(以下、ACT)の館長をさせていただきました。組織の中で働く者として大切な労働要素に「loyalty」があります。日本語にすると忠誠心となってしまうのですが、柔らかくいうならば、『自分の働いている事業所を愛し、そこで行う事業の繁栄を願い一生懸命働く気持ち』となるでしょうか。あくまでも私見ではありますが、ACTに集う会員、ボランティア、運営委員、リーダーの方々、そして職員は「ACTのためにがんばりたい」という気持ちがとても強く「loyalty」が高かったのではないでしょうか。

インターナショナルパーティーやバザーを開催すると、どこからともなく人がやってきて、小さなYMCAは異様な活況を呈していました。皆が旧知の間柄であるかのように笑顔で語り合っていた光景が今でもはっきり思い起こされます。この垣根の低さは「共に生きる」ことを提唱するYMCAの精神を具現化していたのではないかと思っています。YMCAのプログラム会員ではない人も、loyaltyをもってYMCA ACTの活動に関わっていたのです。


時代の流れの中で社会はさまざまな要素が変遷し、ACTはその活動の使命を終えることになりました。館長を6年間務めた者として、この寂寥感は言葉にならないものがあります。しかしながらACTで大切な時を経験したメンバーたちは、きっと異なった形でYMCAの会員活動を継続していってくださるのでしょう。私も自分自身を育んでくれたACTに心から感謝しています。